日本のウィキにも紹介されていない名プロデューサー、ジョー・ミーク。
独自の音世界を構築した、イギリスのプロデューサーである。
1960年当時、他に類を見なかったオーヴァー・ダビングやコンプレッション、派手なリヴァーブ、テープ・ループを駆使したサウンドは、
後世においてイギリスのフィル・スペクターとも形容された。
彼は楽器を弾けないどころか譜面さえまともに読めなかったという。
しかし鼻歌を録音したテープをミュージシャンに聞かせ、演奏させた音を元に多重録音し編集した。
いわばラップトップ・アーティストの走りであり、今なら打ち込みで再現する音を自力で創り上げていった。
対人接触を避け孤独を好む性質だった彼は、自宅録音で、より風変わりな音を探し求めた。
しかし人工衛星の名から取られた「Telstar」という曲で1962年に全英、全米ナンバー・ワンを獲得するもしだいに人気は下降し、
疑心暗鬼になった彼は、自分のスタジオに盗聴器が仕掛けられアイデアが盗まれているという妄想にとりつかれる。
様々な要因が絡み合い、追い詰められたジョーは1967年にショット・ガンで自らを撃ち抜いた。
もし彼が現代に生まれていたら、ネット上での音楽配信、マルチ・メディア展開にとてつもない手腕を振るっていたかもしれない。
(2分34秒から名曲「Telstar」)
https://www.youtube.com/watch?v=1i0JeAZKvj8
返信する